Interview No.70 WEI JUNHAO
工学院
私はAI技術の発展などにかなり興味があり、普段から積極的に様々な新情報を探しています。また、旅行にも興味があり、休みの日には家で新しいAIモデルの実装を試したり、外出して散歩や登山をしたりします。長期休暇にはいろいろな場所を旅行し、異なる地域の人々や自然風景を体験します。
研究概要 / Research Outline
近年、交通事故による傷害重症化は依然として深刻な社会問題であり、事故が発生する前段階の情報を活用してリスクを適切に評価する技術が求められております。従来の機械学習モデルは精度向上が進んでおりますが、予測結果の信頼性や不確実性を定量的に示すことが難しく、さらに異なる地域・環境へ適用した際に性能が大きく変動するという課題が指摘されております。このような背景から、私は「信頼できる交通傷害リスク推定」を中心的な目的として研究を進めております。
具体的には、第一に Conformal Prediction を用い、予測に統計的に妥当な信頼区間を付与することで、モデルがどの程度確信を持って結論に至っているかを明示する手法について検討しております。第二に、深層学習モデルを対象に Aleatoric・Epistemic 不確実性 を分解し、データ由来の曖昧さや知識不足が結果へ与える影響を評価することで、意思決定の透明性向上を図っております。第三に、国・地域・時期など異なる交通環境を横断してモデルを評価し、どの程度性能が保持されるか、また安定して利用するために必要な条件を分析することで、Transferability(転移性)の理解を深めております。
これら三つの視点を統合することで、説明性・頑健性を備えた交通傷害重症度予測の実現を目指し、実運用に耐える安全支援技術の確立に貢献したいと考えております。
交換留学は行くべき:海外で見た研究、生活文化と自分への変化
ここでは、私の交換留学経験について紹介いたします。私は2025年8月20日から10月31日まで、スウェーデンのチャルマース工科大学に約2か月半滞在し、ヨーテボリという都市で、アジアとはまったく異なる研究および生活環境を体験いたしました。
まず、交換留学の目的について述べます。研究を進めるなかで、異なる分野の研究者との交流が不足すると、自分の視野が大きく制限されてしまうと感じておりました。自分の専門分野については多くを当然の前提として考えがちですが、他分野の研究者にとっては理解しにくいことも多くあります。私は交通安全分野における高度なAIモデルの活用を強調してきましたが、現地の研究者から「なぜ伝統的な統計モデルを使わないのか」と指摘されたことがあります。このような率直で有益な助言は、研究室内の議論だけでは得にくいものです。こうした意見を踏まえ、自身の研究計画をより説得力のあるものへと修正することができました。
学校との連絡については、指導教員に依頼し受け入れ先を紹介していただきました。チャルマースを選んだ理由は、SAFERやVolvoと強い連携があり、当該分野において高い影響力を有している点、そして私の研究内容との関連性が非常に深いためです。約半年前に受け入れの調整を行い、4か月前にSpring制度を通して交換留学の渡航費用を申請いたしました。

次に、スウェーデンでの研究生活について共有いたします。特に印象的だったのは、研究室に常に果物やコーヒーが用意され、毎日30分から1時間ほど「fika」と呼ばれる時間が設けられていることです。コーヒーを片手に自由に交流するこの習慣は、ストレスを和らげ、多様な人々との会話を通じて視野を広げる良い機会となりました。また、週に一度、指導教員や研究者と意見交換を行いますが、議論は率直かつ効率的で、大変満足度の高いものでした。上下関係が強くなく、立場に関係なく意見が尊重される雰囲気も印象的でした。

最後に、現地での生活について触れます。スウェーデンは気温が低く、夏でも最高20度ほどで、暑い季節に滞在するには最適です。ただし、冬期は極夜のため日照時間が非常に短く、気分が落ち込むこともあるため、留学時期は夏をおすすめいたします。また、食文化はアジアと大きく異なり、米はあまり一般的ではなく、パン・ジャガイモ・パスタが主食になるため、自炊できる準備が必要だと感じました。

苦労した点としては、まず言語が挙げられます。ヨーロッパでは英語が広く通じますが、国ごとに固有の言語が存在し、公共交通機関のアナウンスなどは現地語が中心となります。ただし、大学では英語でのコミュニケーションが可能です。また、2か月という期間は長いとはいえず、共同研究テーマの設定から実施、結果の取りまとめまでを行うにはタイトなスケジュールでした。そのため、可能であれば事前に研究計画を準備することをおすすめいたします。
総じて、この交換留学は研究面での刺激のみならず、価値観や生き方に対する視野を大きく広げてくれる、かけがえのない経験となりました。皆さまにもぜひ積極的に参加していただき、視野を広げ、普段とは異なる研究生活を体験してもらえればと思います。
メッセージ / Message
まずは SPRING への応募を勧めます。採択されれば、海外での研究活動や交流の機会が得られ、経済的な負担も軽くなります。
実際に現地で学ぶことで、研究文化の違いや多様な視点に触れられ、自分の考え方が自然と広がります。ぜひ前向きに挑戦してみてください。